MTSとは

MTS(Muscle Testing Socius)治療の原点は、『カイロプラティック』『オステオパシー』です。この二つの治療テクニックは、ともにアメリカで生まれ、アメリカでは公認治療体系のひとつとなっています。

MTSが目指すものは、本人の持っている自然治癒力をいかに高めるかにあります。『病気を治す』『回復する』チカラは人間が本来持っている自然治癒力です。

MTSの特徴は、この自然治癒力が低下した原因の部位を対症療法的に治療するのではなく、その原因そのものに働きかけ、人の持つ自然治癒力を高めるお手伝いをしているのです。

(※MTS小冊子より引用)

MTS治療について

①MTSとは?

-脳・脊髄神経機能調整-

手術や薬などに頼らず、科学的かつ自然な方法でからだを治し、からだの持つ自然治癒力を高めていくことで健康を維持し、さらに増進させていく治療です。

『MTS』はMuscle Testing Sociusの頭文字とったものです。筋肉(Muscle)の力を確認する(Testing)によって、からだの働きを確かめます。もしからだのどこかが正しく働いていないと判定されたら、その原因となった部位を見つけ出し、そこをアジャスト=調整する事によって、からだの機能を正常に回復させます。


②あなたのからだを治すのは、あなた自身のからだです。

私たちのからだの中には、ひとときも休むことなく、思いもよらないほど複雑な諸機能が働いています。心臓の鼓動、血圧の調整、呼吸、消化活動、感染との戦い…さまざまな活動が目に見えないところで、すべてコントロールされています。

つまり、これらの機能が正確に働いている限り、そのからだ自体が極めて優れたホームドクターでもあるのです。これらが正確に活動できなくなった状態を自然治癒力の低下した状態といいます。その状態を改善し、あなた自身のからだが本来持っている自然治癒力と健康管理能力を100%引き出していくのがMTSの治療です。

では、このバランスの崩れた状態はどのようにして起こるのでしょう。それは、脳と各細胞を結ぶ伝達網である神経に、なんらかの問題が起きているからなのです。


③『神経』ーそれは、健康に欠かせない大切な情報を伝える使者。

脳は、私たちのからだ全体の司令塔です。あらゆる細胞の情報を絶えずモニターしては、それに応えていく健康に欠かせない大切な指令を送りだしています。この情報や指令を伝えているのが神経です。いわば、脳と細胞を結ぶ電話線です。この通信網になんらかの支障が起こると、脳はその能力をもはや発揮できなくなります。結果的に、からだはバランスを崩し、自己治癒力が極端に衰えてしまいます。


④神経の伝達機能は、なぜ低下するのでしょう。

神経は、脳から背骨の中に保護されている脊髄を通り、脊椎骨と脊椎骨の間にあるすき間からそれぞれ束になり、からだの中のあらゆる方向に向かっています。もし何らかの理由により神経伝達機能が阻害されると、脳から細胞、細胞から脳への伝達能力が低下してしまいます。この低下は、下にあげたような、実に様々な理由から起こります。

◎外傷-骨折、捻挫、打撲等

◎食物-食中毒、食べすぎ、偏食、夜遅い食事、アルコールの飲み過ぎ等

◎姿勢-職業上の偏った体位、横座り、足を組む等

◎スポーツ-1方向だけへの繰り返し運動(ゴルフのスイング)等

◎ストレス-家族の病気や仕事上の悩み等

しかし、いちばん重要なのは心の問題です。からだは心の影響を強く受けます。『愚痴』『怒り』などは、特にからだに悪い影響を及ぼしますので気をつけましょう。


⑤『筋力テスト』でからだの健康状態を調べます。

さまざまな原因により、脳から未梢への神経伝達機能が低下すると筋力が弱まります。MTSでは、この筋力の強弱によって神経伝達が正しく働いているか、いないかを判断します。

正しく働いていない場合、主に手の拇指と小指の筋力テストで異常部位(脊椎、内臓等)および原因の部位を探しだすことができます。


⑥回復までにどの位かかるか?

病気の性質や期間、年齢、体力、生活スタイルなど、さまざまな原因によって違ってきます。とりわけ、健康になろうというあなた自身の意欲によって変わることが多いことを覚えておいて下さい。たった一回の数分の治療で、症状が改善される場合もありますが、長期的な複雑な症状は、何回もの連続治療が必要です。悪い状態のままにして放っておいた臓器や筋肉などを回復させるには、治療にもそれなりの時間が必要なのです。しかも、からだ自身も、正常な状態というものをもう一度覚え直さなければなりません。このプロセスを完全に経たうえでないと、また昔のよくない状態に引き戻されてしまいます。そうなったら、もう一度はじめから治療をやり直さなくてはなりません。


⑦MTS治療でどんな病気が治せるのか?

MTS治療は、今あらわれている症状だけを取り除くのではなく、その病気の原因そのものを治してしまうわけですから、健康にかかわる問題ならば広く力になれます。事実、他の治療法ではよくならなかったものが、MTS治療で回復した例がたくさんあります。しかし、MTS治療に限らず、どんな治療法にも限界があります。完全に脱臼している関節、外傷、伝染病などに対しては、その回復力を高める手助けはできても完治は望めません。このような場合は別の手段が必要となります。


⑧MTS治療の流れについて。

まず初診では、病歴を聞いたうえで、筋力テスト、左右の足の長短、脊椎の可動性等で、体の構造と機能を詳しく調べます。そして、次にアジャスト=調整をします。

この最初のアジャストですっかりよくなったからといって、そのまま治療を受けない人がいます。しかしこれは大変な間違いです。“安定した健康状態”に戻るには、多くの場合、少なくとも1~2カ月かかると考えてください。

治療を途中でやめてしまうと、それまでより悪い問題を生じることもあります。治療後に前より悪くなったと感じることがあるのは、正常に働きだした神経が悪い状態では自覚すらできなかった古傷を思い出したからなのです。

一回目の治療を終えた後、次回の治療日を決めますが、最初のうちは間隔を開けずに週に何回か治療したほうがいい場合もあります。その後は、週一回、やがて月何回と、徐々に間隔を開けていきます。

また、回復してからも、数ヶ月に一回ぐらいの割合で、定期検診を受けることをお勧めしています。


⑨MTS治療は、きわめて短時間、しかも痛みもありません。

初めてMTS治療を受けた方々の多くが、治療のスピードにびっくりします。検診からアジャストまで数分から二十分といったところが普通です。人によっては『あっけない』と不満を抱かれるかもしれません。

しかし、一回の治療の量は少ないほうがいいのです。量が多すぎたり、悪くないところにまで刺激を与えることは、からだの反発を招き治療効果を下げてしまいます。

薬はたくさん飲めばいいわけではないのと同じです。大切なことは、どれだけ治療を受けたかではなく、本当に健康を回復したかどうかなのです。

また、多くの方が意外に思われるのが、自分が問題にしているところを、治療者が無視しているように見える場合があることです。あなたが腰痛で苦しんでいても、治療者は頚椎をアジャストするかもしれません。たしかに、痛みは何かしらの問題があることを示すものですが、その原因がいつも痛みの個所にあるとは限りません。悪いなどと思ってもみなかったところに、本当の原因があることが多いものなのです。


⑩治療後のからだの反応について。

MTS治療を受けた後、だるく感じたり、眠くなったりすることがあります。これは脳が活性化している状態で、何の心配も要りません。理想を言えば、治療後の2~3時間は安静にしていることが望ましいのです。治療当日のスポーツやアルコール摂取は極力控えるようにしてください。

また、治療の翌日あたりから、前より悪くなったと感じることがあります。これは萎縮して何年も眠っていた神経が再び活動し始めた何よりの証しなのです。治療が何回か進んで、神経が完全にもとの状態で働きだせば、不快な症状は自然になくなります。


⑪MTS治療の究極の理想は日々の健康=予防医学です。

MTS治療の目的は自然治癒力を高める事です。脳、脊髄神経を整えることによって、あなたが本来持っている脳の治療エネルギーを100%まで高めることで疾患部位を活性化させ、からだ全体のバランスを整えます。

水道に例えるなら、脳は蛇口で脊髄がたくさん穴のあいたホースです。穴から出る水が脳からの信号=治癒エネルギーです。蛇口を少ししか開かないと水はチョロチョロとしかでません。しかし、100%全開にすれば…。勢いよく自然治癒力がでてきます。

早期発見、早期治療で問題が大きくならないうちに治していくことはもちろん、定期的な検診は誰にでもお勧めしたいものです。あなたの持つ自然治癒力を100%に保っておくことが、さまざまな病気や障害が根を張るスキを防ぎます。


⑫治療とあわせて、こんなことに気をつけましょう。

あなた自身の健康を取り戻すために、治療者に対するあなた自身の積極的な協力は欠かせません。指示に従うだけでなく、健康維持のために誰もが心がけなければならないことがらがあります。

◎正しい食事-栄養に気をつけて、バランスのとれた食事を摂るように心掛けてください。また、よく噛むことも大切なことです。

◎適度な運動-からだはそもそも動かすようにできています。使わなければ退化してしまいます。歩くのは過度な負担を防ぐ意味でも最適な運動といえます。

◎適度な休息-過労はストレスが蓄積し、肉体的な問題ばかりでなく、精神的な問題の原因ともなります。適度な休息や充分な睡眠を心がけましょう。

◎正しい姿勢-悪い姿勢は体に無用な緊張を強いるため、筋肉内に疲労物質がたまり、肩こりや腰痛の原因となりやすくなります。特に、長時間、同じ姿勢でいることはよくありません。

◎ポジティブな生活態度-MTS治療に限らず、どんな治療でも受ける側の心構えで治療効果は変わってきます。本当に健康になりたい、元気になれるという気持ちこそが、病気との戦いに勝つ最高の味方です。精神と肉体は密接に関係しています。心で思ったこと、考えたことはそのまま、からだの機能に影響します。前向きな心境でいること、これこそが健康を維持してゆく最良の方法なのです。

 

(※MTS小冊子より引用)